企業がコンセプトムービーを制作するべき理由と具体的な3つの活用シーン

更新日 2023.10.31

近年、自社のマーケティングに動画を活用する企業が増えてきていますが、マーケティングに活用できる動画にはいくつか種類があります。

その中の一つが、「コンセプトムービー」です。

コンセプトムービーは企業が制作して活用する代表的な動画の一つなので、

「コンセプトムービーを作りたい」

「コンセプトムービーを作ってマーケティングに活用したい」

と、考えている企業もも多いのではないでしょうか?

今回は、幅広いジャンルの動画制作をおこなってきたkey MOVIEが、そんなコンセプトムービーについてわかりやすく解説していきます。

コンセプトムービーの概要や企業がコンセプトムービーを制作して活用するべき理由、コンセプトムービーの作り方や具体的な活用方法などを事例とあわせて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

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コンセプトムービーとは

コンセプトムービーとは、企業理念やビジョン、または、企業が製造して販売している商品や提供しているサービスにこめられた想いといった抽象的な概念を伝える目的で用いられる動画です。

これらの概念をテキストや言葉で伝えるのは非常に難しい側面がある一方で、商品を購入してもらったりサービスを利用してもらうためには、ユーザーとコンセプトを共有することが非常に重要になります。

そのため、テキストや言葉ではなく、映像としてコンセプトを伝えられるコンセプトムービーを活用する企業が増えてきているわけです。

映像を用いて表現することで、ふわっとしたイメージがより明確に可視化され、企業理念やビジョン、商品やサービスに込めた想いなどをしっかりとユーザーに伝えられるようになります。

コンセプトムービーとブランディングムービーの違い

コンセプトムービーと混同されがちなものにブランディングムービーがありますが、コンセプトムービーとブランディングムービーとでは制作する目的が異なります。

コンセプトムービーが商品やサービスのPRに用いられるケースがあるのに対し、ブランディングムービーで商品やサービスを直接的にPRするようなことはありません。

ブランディングムービーはあくまでブランドのブランド力を高める目的で用いられるものであるため、商品やサービスのPRに用いる場合は、コンセプトムービーや商品紹介動画、サービス紹介動画という扱いになります。

企業がコンセプトムービーを制作するべき理由

企業が、会社や商品、サービスについて直接的に紹介する動画だけでなくコンセプトムービーも制作するべきだと言われるのは、競合他社との差別化につながるからです。

会社がおこなっている事業や製造している商品、提供しているサービスで競合他社との違いを明確に打ち出すことが難しいケースでは差別化しづらくなってしまいますが、そこにコンセプトをプラスすることで、しっかりと競合他社との差別化を図れるようになるわけです。

また、映像や音声などさまざまな方法で表現できる動画を用いることで、コンセプトという曖昧な概念を明確なものにできるようになります。

コンセプトムービーの活用シーン

企業がコンセプトムービーを制作する場合、制作したコンセプトムービーをどう活用するかについても考えておかなくてはいけません。

コンセプトムービーの活用方法はさまざまですが、主な活用の目的や活用シーンとしては、

  • ファンの獲得
  • 商品やサービスのプロモーション
  • 採用活動

などがあげられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

1. ファンの獲得

商品を購入してくれるユーザーやサービスに加入してくれるユーザーは企業にとって欠かせない貴重な存在ですが、それ以上に重要な存在だと言えるのが「ファン」です。

ファンはリピーターよりも企業に貢献してくれる存在で、

「〇〇が作った製品だから」

「〇〇が提供しているサービスだから」

などの理由で、多少高くても商品を購入したりサービスに加入してくれたりします。

ファンになってくれるユーザーはコンセプトをより重要視する傾向があるので、そういったユーザーをしっかりとファン化するためにも、コンセプトムービーを用意しておくべきだと言えるわけです。

2. 商品やサービスのプロモーション

コンセプトムービーは、商品やサービスのプロモーションにもよく用いられます。

商品やサービスについて紹介する商品紹介動画やサービス紹介動画では、その製品やサービスの特徴、強みなどについて解説するのが一般的です。

ただ、商品紹介動画やサービス紹介動画を見て商品を購入したりサービスへの加入を決めるユーザーがいる一方で、踏みとどまるユーザーもいます。

そういったユーザーの背中を押し、成約につなげるのがコンセプトムービーです。

コンセプトムービーで商品やサービスに対する想いや情熱、その商品やサービスが生まれるきっかけや背景を伝えることで、商品紹介動画やサービス紹介動画だけで購入にいたらなかったユーザーの心を動かし、購入や加入、問い合わせなどの成約につなげられるようになります。

3. 採用活動

コンセプトムービーは企業理念やビジョンを伝える目的でもよく用いられますが、その活用方法と相性抜群なのが企業の採用活動です。

最近は給与の高さだけでなく、自分にマッチした会社かどうかを重要視する人材が増えてきていることもあり、企業理念やビジョンを伝えることの重要性が増してきています。

テキストや言葉では伝わりにくい企業理念やビジョンをコンセプトムービーで映像として届けることで、それらに賛同してくれる意欲の高い人材を採用できるようになります。

コンセプトムービーの配信媒体

コンセプトムービーなどの動画コンテンツは、媒体で配信して初めて効果を発揮するものです。

そのため、コンセプトムービーを制作して活用したいと考えているのであれば、制作したコンセプトムービーを配信する媒体や配信方法についても把握しておかなくてはいけません。

コンセプトムービーの主な配信媒体や配信方法としては、以下の4つがあげられます。

  • 動画配信プラットフォーム
  • SNS
  • 動画広告
  • Webサイト

それぞれの配信媒体や配信方法について詳しく解説していきます。

動画配信プラットフォーム

制作したコンセプトムービーの配信媒体の一つが、YouTubeやVimeoなどの動画配信プラットフォームです。

YouTubeはユーザー数が多く、認知度も高いので、必須で活用したい媒体だと言えるでしょう。

YouTubeでは、チャンネルを開設してチャンネル登録者を獲得することができますが、数万人〜数十万人のチャンネル登録者を獲得している企業も多く、積極的に活用することでマーケティングの柱になり得る可能性を秘めている媒体でもあります。

SNS

制作したコンセプトムービーは、SNSに投稿して活用することもできます。

最近は動画が日常的なものになったことでどのプラットフォームも動画コンテンツの拡充に力を入れているので、コンセプトムービーを制作して配信するタイミングとしてはうってつけのタイミングだと言えます。

活用できるSNSはさまざまですが、おすすめなのは、日本での人気が高いX(旧Twitter)と画像系のSNSであるInstagramです。

また、動画系のSNSとしてはTikTokもおすすめです。

SNSは拡散性が高いので、ユーザーが思わず拡散したくなるコンテンツ作りを意識するようにしましょう。

動画広告

動画配信サービスのチャンネルやSNSのアカウントは少しずつ育てていくものなので、即効性は期待できません。

即効性を求める場合に活用したいのが、動画広告の配信です。

広告の配信には費用がかかりますが、費用をかけた分だけしっかりとユーザーにコンセプトムービーを届けられるようになります。

即効性があるので、広告を出稿したその日のうちに何かしらの効果が現れることも珍しくありません。

スピード感を持って施策を展開したいときは、動画広告の活用がおすすめです。

Webサイト

制作したコンセプトムービーをコーポレートサイトに掲載する企業も少なくありません。

企業理念やビジョンに関するコンセプトムービーは会社や事業の紹介ページに掲載できますし、商品やサービスに関するコンセプトムービーは商品の詳細ページやサービスの紹介ページに掲載できます。

企業や商品、サービスに興味を持ってくれたユーザーはコーポレートサイトでより詳しく情報をリサーチする傾向がありますが、そういったユーザーに対してアプローチできるようになりますし、サイト内のコンテンツの拡充にもつながります。

コンセプトムービーの参考事例

企業がコンセプトムービーを制作して活用していく上で忘れずにチェックしておきたいのが、コンセプトムービーを活用している他社の事例です。

最近はマーケティングに動画を用いるのが当たり前になってきていることもあって、参考になる事例がいくつもあります。

それらの事例をチェックすることで、動画の内容や活用方法など、具体的なポイントが見えてきます。

ここでは、特に参考になりそうなコンセプトムービーの事例を3つピックアップして紹介していきます。

1. JR東日本

こちらは、JR東日本が自社のYouTubeで公開しているコンセプトムービーの一つです。

こちらの動画は採用を目的とした動画で、動画の概要欄には採用ページへのリンクが掲載されています。

動画は軽快なBGMと映像のみのシンプルなものですが、さまざまな職種が登場しますし、女性が活躍できる会社であるシーンも多く見受けられます。

さまざまなアイデンティティーを持った人材が活躍できる間口の広い企業であることが体現されているコンセプトムービーです。

2. Panasonic

日本を代表する電化製品メーカー、Panasonic。

こちらの動画は、そのPanasonicのYouTubeチャンネルで公開されているコンセプトムービーの一つです。

同社の人気シリーズの一つである「ビストロ」のコンセプトムービーで、「おいしい驚きを、もっと日常に。」がコンセプトになっています。

動画は、ビストロシリーズのさまざま製品を使って料理をおこなう様子が中心となっていますが、いずれの映像も、ビストロを使うことで簡単においしく料理を作れるようになることが伝わってくる内容になっていて、ビストロシリーズの製品を思わず購入してみたくなるようなコンセプトムービーに仕上がっています。

3. 東京造形大学

こちらは東京の八王子にキャンパスがある美術大学、東京造形大学のコンセプトムービーです。

「だれかで終わるな。」をコンセプトに、自分のイメージや想いを形にすることの難しさや厳しさについてナレーションしながら、東京造形大学であればそのイメージや想いを形にして何者かになれることを示す内容の動画となっています。

アーティストや表現者など、美術やデザインなどに関わる分野で活躍していきたいと思っている人の心を揺さぶるコンセプトムービーに仕上がっています。

コンセプトムービーの作り方

実際にコンセプトムービーを制作する際のおおまかな流れは以下のとおりです。

  1. 企画
  2. 撮影
  3. 編集
  4. 公開
  5. 分析

この工程に沿って制作していけば、手順ややるべきことに悩んで手が止まってしまうようなことはありません。

それぞれの工程について詳しく解説していきます。

1. 企画

コンセプトムービーを制作することが決まったら、まずは企画を立てていかなくてはいけません。

企画の段階では、コンセプトムービーを制作する目的や、達成したい目標や成果、動画を届けたいユーザーなどを設定し、動画の内容や構成などを考えていきます。

企画した内容は、台本や絵コンテに落とし込んでいきます。

2. 撮影

企画の立案が完了したら、制作した台本や絵コンテを元に撮影を進めていきます。

動画制作では、撮影が完了した後になってから必要な素材が足りないことに気づくケースも少なくないので、素材のことを意識しながらの撮影が重要になります。

3. 編集

撮影が完了して必要な素材が揃ったら、編集して一つの動画にしていきます。

余計な間をカットしてつなぎ合わせる基本の編集から、テロップを入れたり、アニメーションで動きを入れるなどして魅力的なコンセプトムービーに仕上げていきます。

4. 公開

編集が完了し、内容をチェックして問題ないことを確認できたら、いよいよ動画を公開していきます。

企画の段階で決めておいた媒体で動画を公開しましょう。

5. 分析

コンセプトムービーは公開して終わりではありません。

制作した動画の配信媒体や配信方法はいくつかあると紹介してきましたが、いずれの方法でも、公開した動画に対するユーザーの反応をデータとして取得し、閲覧できるようになっています。

それらのデータを分析して改めて動画を作り直したり、次回以降の動画制作に反映させることでより質の高い動画を制作できるようになるので、必ず分析までセットでおこなうようにしましょう。

良質なコンセプトムービーを制作する上で意識するべき3つのポイント

制作することでさまざまなメリットをもたらしてくれるコンセプトムービーですが、ただ用意すればいいというわけではありません。

コンセプトムービーの質が低いと、企業のイメージが低下してしまったり、ブランドの価値を傷つけてしまう可能性もあるので、コンセプトムービーを制作する際は質にこだわる必要があります。

良質なコンセプトムービーを制作する上で意識するべき主なポイントとしては、

  • コンセプトムービーを制作する目的を明確にする
  • コンセプトムービーで届けたいターゲットを明確にする
  • 伝えたいことをしっかりと伝えつつコンパクトにまとめる

の、3点があげられます。

それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

1. コンセプトムービーを制作する目的を明確にする

コンセプトムービーを制作したいと考えているのであれば、まずはその目的を明確にするところから始める必要があります。

目的が明確になっていないと質が高くユーザーに届くコンセプトムービーを制作することはできません。

そもそもコンセプトムービーはブランディング動画や商品・サービスの紹介動画とは異なるものなので、動画を制作する目的によっては、コンセプトムービーではなく他の動画の方が適している場合もあります。

目的が明確になると動画に取り入れるべき内容などのイメージもつきやすくなるので、まずは何のためにコンセプトムービを制作するのか、その目的を明確にするところから始めるようにしましょう。

2. コンセプトムービーを届けたいターゲットを明確にする

コンセプトムービーを制作する目的が明確になったら、そのコンセプトムービーを誰に届けたいのかを考え、ターゲットを明確にしていきます。

コンセプトムービーのような動画を制作する場合、つい多くのユーザーに届けることを意識してしまいがちですが、そのようなターゲットが明確になっていない動画は誰にも刺さりませんし、成果にもつながりません。

年齢や性別などの大まかなプロフィールはもちろん、抱えている悩みや欲求、実現したいことなどを想像しながらターゲットを設定し、それらのターゲットに刺さる動画を制作することがとても重要になります。

3. 伝えたいことをしっかりと伝えつつコンパクトにまとめる

コンセプトムービーのようなメッセージ性のある動画を制作する場合、内容をなるべくコンパクトにまとめることが非常に重要になってきます。

伝えたいことやメッセージを詰め込んでしまったり動画が長くなってしまうと、ユーザーに敬遠されますし、本当に伝えたいことが伝わらない可能性もあります。

動画の時間は1〜3分程度に抑え、本当に伝えたいメッセージだけに絞って動画の内容を考えるようにしましょう。

まとめ

コンセプトムービーは、ユーザーをファン化したり、商品やサービスをプロモーションするのに欠かせない動画コンテンツです。

少子化の影響によって年々コストが上がり、採用の難易度が高まりつつある採用活動にも効果を発揮してくれる点を考えると、活用しない手はありません。

ただ、紹介してきたとおり、コンセプトムービーは作るだけで効果につながるというものではありません。

重要とされるポイントを押さえ、質の高い動画を用意することが重要になります。

コンセプトムービーの制作や活用を検討されているのであれば、ぜひ弊社にお任せください。

弊社では、コンセプトムービーの制作も承っております。

ファンの獲得やプロモーション、採用活動など、用途に合った成果の見込める動画を制作させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
小林 稜介
動画マーケティングコンサルタント

広告代理店のクレオとデジタルアイデンティティにて幅広いマーケティング支援に従事した後、key MOVIEに参画。サイト改善や広告運用など動画の活用面から逆算した動画企画の提案・制作をしています。

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『key MOVIE』とは

key MOVIEは、マーケティング成果の出る動画・映像を低予算で制作します。 全国の豊富なフリーランスクリエイターを案件毎にアサインすることで、様々なジャンルの動画を低単価で制作しています。 また、マーケターがプランニング・ディレクションをおこなうことで、マーケティング目的にしっかりと効く効果的な動画制作をおこないます。

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